新型コロナウイルス感染症は、地域社会に大きな不安や脅威をもたらし、日々の生活は大きく変化しました。
地域では、暮らしの困りごとが急増し、切実な声が寄せられています。経済的な困窮、自粛生活による心や身体の不安・不調、社会的孤立の深刻化、リスクを抱えた人や世帯の潜在化、ストレスの増大と排除の応酬など、コロナ禍による生活課題は、世代や属性を問わず誰にも起こりうる状況にあります。私たちは、今こそ、声なき声に耳を傾け、取りこぼさず、向き合う覚悟を新たにします。
また、暮らしを揺るがす危機や課題が発生した際、これまで私たちは、人と人とが出会い、手を取り合い、寄り添うことで解決を図ってきました。この方策の多くが感染症予防の観点から見直しを余儀なくされていますが、期せずして、つながり、支え合うことの意義や価値を再認識する機会にもなりました。万全の条件や環境が整わない中にあっても、感染予防をしながら「できること、できる方法」を生み出す、福祉の本領を発揮する時だと考えます。
奈良県社会福祉協議会は、暮らしをまもる福祉の原点に立ち、コロナ禍により急増した生活課題への対応策と、新たなアイデアや工夫を取り入れた新しい福祉実践を模索し、「福祉の歩みをとめない」ための具体的方策を講じていきます。今後、流行の再燃も予想されますが、この姿勢を貫き、市町村社会福祉協議会や福祉関係者と力を合わせ、取り組んでまいります。
令和2年6月5日
社会福祉法人奈良県社会福祉協議会